白夜行(最終話 3/23放送)

結局亮司は笹垣を殺すのを止めたのですか…よほど嬉しかったんだろうな。
オリジナル進行が激しいですが、もうこれは話数の都合上仕方がないと思う。
つうか原作の再婚はぶっちゃけ蛇足だと思ったし、探偵エピソードをを笹垣に移したのは上手い構成だと思いました。
しかし、妊娠ネタは余計だったやろうに…てことはこの後の笹垣説得イベントで絶対このネタを出すんだろうなと思ったら、案の定出しましたよ…。
んでもって、てっきり亮司は笹垣も道連れにするかと思いきや全てを背負って自殺。
篠原が「人生を託した人より、託された人のほうが不幸」みたいなことを言っていたというセリフがあったけど、最初は雪穂の方が亮司に「明るい日の下を二人で歩きたい」と押しつけていたのに、最終的には立場が逆転してしまったんだな。
託した思いは違うけど。
可愛い初恋からの恋愛関係から依存、そして情へと繋がる笹垣曰く共生関係。
結局その絆はお互いに苦しみ合う、もう二度と解くことの出来ないしがらみにまでなってしまった。
2人がいた証のようなR&Yも結局は借金がかさんで閉店。
例え屍と化そうと雪穂だったら絶対に死に物狂いで店を守ると思ったけど、多分この時に亮司の子供の存在に気付いたんだろうな…コレに勝る証なんてないし妊娠できない雪穂にはショックだっただろうに。
もしやこの為に妊娠ネタを出してきたのかと思いきや、ラストが…。
うわぁ、やってくれるよなぁと本当に感心した。
亮司にとって笹垣の存在が救いだったように、雪穂に対するたった一つの救いのためだったんだ
実は「風と共に去りぬ」のスカーレットのように雪穂がただ一人どこかの道を歩いていくようなラストになるのかなと思っていた(ベタ過ぎるよね)
切ないラストだけど、ほんの一欠片救われた感じが良かった…


自分としてはどうしてもこのドラマを見たり感想を書く上で外せない原作。

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)

といっても薄ぼんやりと知っていたので、ドラマが始まると知って慌てて買おうとしたらツーショットアップの表紙分しか売っておらず、泣く泣く諦めたけど読みたくて読みたくて、おもわず数軒はしごして立ち読みした。(流石に1軒だけの立ち読みは恥ずかしかった)
ずっと前にも書いたとうり原作は全くこの二人の心理描写が全くなく、ただ各章ごとにこの二人に深く関わった人物が立ち代わって各々の視点で話が進んでいく展開になっている。
主人公二人が何を考えているのか全くわからないまま、ただ背景や側にいた人たちの感情だけが色濃く描かれていっている。
ひどい時なんて、名前すら出て来ない章もある。
要するに輪郭だけが残るあやふやな存在。
だからこそ終盤でどんどん成功していく雪穂に仕事仲間がすごいねぇと感心したのを聴いて
「太陽に代わるものがあったから…(うろ覚え)」なセリフがあって、それが衝撃的でした。
唯一そこが雪穂の人間臭さが出ていたから。
ドラマにも司書の女性に似た様なことを言っていたけど、やはりコチラはピンとこなかったな。
こんなんだから読者に対して、材料しか与えられず想像でしか主人公二人のことを感じることが出来ない。
その間隙を埋めるかのようなドラマの展開は、原作を知っているからこそヲレにとってはすごく楽しめました。
どんな小さなエピソードや扱われた小物すらも見逃さずに掬い取るかのように展開していくストーリーや映像の美しさには毎回感動した。
原作のまるで感情のないクールな亮司は罪悪感で苦しんだり、お嬢様で毅然とした雰囲気の雪穂は亮司に依存したり他人の幸せに嫉妬したりする
年相応の人間として二人とも描かれていた。
特に雪穂の亮司に対してそこまでいうか発言「殺してなんて頼んでいない」や友人への偽装レイプの依頼はすごかったなぁ。
後者は原作を読んだ時に?と思った部分でもあったのでなおすら驚いた、そうかこんな解釈もあるんだと。
というわけで、自分はものすごく楽しめました。
本当に珍しく初回しか見逃さなかったしな…これが全てを表している。

でも原作を知らずにこのドラマを見たら、思いっきりひいていた様な気もする。
だって普通に考えなくてもこの二人、やり過ぎ…それをすげぇドラマチックに描いているんだもんな。