生きているという呪文にかかった君と

お父さんは時代小説が大好き―吉野朔実劇場

お父さんは時代小説が大好き―吉野朔実劇場

偶然「少年は荒野をめざす」の文庫を本屋で見かけ、久々に家にある「いたいけな瞳」を読みなおそうかと思っていたら図書館でこれをみかけたので思わず借りた。
対談やマンガ形式のエッセイみたいな本で、吉野さんが読んだもしくは読んではいないけどそれにまつわるエピソードなどを書いている。
ヲレが持っているこの人作の本が本なので、どちらかというと神経質な方を想像していたけど芥川龍之介の顔がいいところが好きだとかそんなミーハーなところがあったりして案外普通だったので驚いた(苦笑)
ふと思い出した1文がどの本に使われていたかとか気になって仕方がなくなる気持ちはよくわかるし、といってもヲレの場合は逆であの本に書かれていたあのシーンで誰が何ていったけ?的な疑問の方が多いけど。
けれど、本の感想を言い合える友達が多い環境が羨ましい。
マンガならまだしも小説ときたらなかなかいないんだよな…。
唯一あったのが、夏目漱石の「こころ」かな?教科書にも載っていたせいか全文読んだ人が結構いた。
先生と私を恋人関係だという視点で読んだのでおもしろかったという某友人。
そんなあんたの方が数十倍面白いよ…。
そういえば、角川文庫の夏目漱石の本の表紙のイラストはこの方が描いていたんだ…チラ見したときにどこかで見たイラストだなっとは思っていたけど。
読んだ後に気付いたけど、これ十年前の本なんだよね…orz。
どうりで古いなと思った、でも取り上げられている本はどれも名作揃いなんであまり違和感がなかったな。

朽ちる散る落ちる (講談社文庫)

朽ちる散る落ちる (講談社文庫)

わかんねーっっ!!研究所の内部の地図を載せるくらいなら、地下室の設備の仕組みを図解して欲しかったぁぁっ!!」
と、帰りの電車ので読後に心の中で叫んだ第一声がコレでした。
珍しく前作の「六人の超音波科学者」と「地球儀のスライス」に載っていた練無の短編が絡んだお話。
わけがわからないけどつい読んでしまうと確か「今夜パラシュート博物館にへ」で書いたような気がするけど、どんどんきつくなって来たな…
一番の理由が紅子と七夏と林の三角関係がよくわからないというかうっとおしくなってきたせいだと思う。
七夏さんと立松のへたれっぷりが結構好きだったけどな。
どのみち次巻でシリーズ終りなんで最後まで読むけど…この雰囲気が続くのは勘弁して欲しい。

ファントムの夜明け

ファントムの夜明け

初めて読んだ「時の鳥篭」が自分的にツボをジャストフィットしてくれたせいか、この人の本が図書館にあったら真っ先に借りてしまう(買えよ)
独特の深遠で静かに閉じられた雰囲気は相変わらずだけど、この作家にしては通り一辺等な構成だったなと。
いつものどんでん返しもそれほど大きくはなかった。
ていうか、双子の存在や実の母親の過去とかがもっとラストに関係すると思っていたので肩透かしをくらってしまった。
…もしかして、コレが狙い?
それ以前に真美の話しを興味深く聞いていた刑事があの*1刑事だと期待したのヲレだけっすか?orz

*1:↑の本で自分の娘を過去に飛ばした親父のこと