スタジオジブリ・レイアウト展

ヲレみたいにサントリーミュージアムが閉館しちゃうと慌てて行ったわけではなくて(当たり前)、夏休みとジブリ効果で人多かった。
レイアウトと言っても「配置」と言うより「設計図」や「指示書」、絵コンテの一コマを丁寧に描いて指示を書いたモノみたい。
デロデロに溶けた巨神兵王蟲の群れ(略したのもあったけどな)やラピュタ城の根や内部に這り巡らされている蔦やラストで紋様の入ったでかい四角形の岩がレンガのように積み重なった部屋とか緻密に描かれていてびっくりしたわ。特に岩なんて一つ一つ丁寧に紋様が描かれていた…アレって普通1個にこ〜んな風に描いてねみたいな指示用の見本として描かれているんだと思っていたから余計に驚いたよ。原画じゃなくてその下書きなのに1枚の絵として普通にあってもおかしくないよ。まぁところどころ指示が書かれているけど。


ラピュタの展示が終わって次の部屋に入った途端、明るく感じたので不思議に思ったら、壁が白くなって照明が明るくなってるからだ。そういやナウシカって1984年に映画公開されたから25年以上も前ので、薄く半透明の紙に鉛筆で書いただけのものだから傷むわなぁ。
進むに連れて、どんどん人がまばらになってきてる。絵にかぶりつくように見てる人が減って、ただ眺めてる人ばかりになってるからな。やっぱり、描く人も知恵つけてきたのか上手に絵を略してるんだよな。効率的にそれが正しくて当たり前だけど。あとやっぱりナウシカラピュタは題材が題材なので、一枚の紙からそのシーンの臨場感がめっさ漂ってるんだよなぁ。だから目を放せなくて引き付けられる。
千と千尋〜の量が特に多くて、スペースいっぱいに貼り巡らされていた。残念なことにコレ見てないんだよなぁ。


映画分だけかと思ったら、コナンやハイジなどのTVアニメもあった。コチラはやっぱり毎週で大変なせいか、やはりそんなに背景を細かく描かれてなかったし人物だけの図が多かった。でもその分指示が結構書き込まれてたわ。
レイアウト用紙の上に書かれた会社名がジブリでなく日本アニメーション協会と書かれているのが時代を感じる。
面白かったのが、「母をたずねて三千里」で船が に巻きつけるロープが放されて海に落ちるシーンなのか、端が輪状になったロープが海中に半分浸かった絵が描かれた端に

今日の標語

レイアウト そのままやると 失敗する
信ずるな たとえ天下の レイアウトでも(字あまり)

書かれていた。
ふ〜ん、そうなんだ…。っていうかコレはやはりこの絵を描いた人が書いたのか?なんかこのアニメも宮崎さんが場面設定・画面構成担当でレイアウトを担当してたらしいけど、(コレを本人が書いたとはわからないけどな。ハイジはすべて担当したみたいだけど。)その割には丁寧で緻密なレイアウト描いてるけどな。「母をたずねて〜」の放送が1976年なので、「風の谷〜」までの約10年の間になにか変ったのか?それでもなお、この標語に何らかの自論をこめたのか凄く気になりました。


あとまだパラ見しかしてないけど、図録にて

では、宮崎のレイアウトの魅力は何なのか。今更言うまでもない事だが、彼は抜群に巧い絵描きである。その彼が描くレイアウトは、映像の設計図であるのと同時に「いい絵」なのだ。

あぁ…わかる。緻密なんだけど、ドラマティックなんだよなぁ。臨場感があって、その画面の背景が浮かび上がって来そうな迫力を感じる。見ていないアニメのレイアウトでも、どこかその一枚からドラマを感じるみたいに。
ついでに言うとその図録ですが、作品展示数が半端なかったせいか、人を殺せる程の分厚さと重さを誇るブツでした。(もちろん価格も)。帰りの電車で若い女の子達を見て、多分カバンの重さはこの子達に負けてないとも思いました。