「では、君は犯罪に期待しているのか?」

実はもうずっと前に読み終えた文庫。
そういややっと7冊目にして購入した(マンガは除く)ブツ(笑)。
本当にヲレって図書館に依存しているな…


森博嗣の8編からなる短編集。
その内3編が長編シリーズの番外というのか、S&MシリーズやVシリーズの登場人物が主人公として出ている。
やっぱこの人の短編は苦手だ。
理数系作家と言われているだけあって*1まるで数式のような文章だ。
何を意味しているのかよくわからないけど、まるで文様の様に美しい幾何学的数式の様に。
「ゲームの国」が昔期間限定であった「森博嗣ミステリィ工作室」というHPにあったお遊び的なショートストーリーを思い出した。
あれも確かメタ理論をジョークにした話だったなぁ。
ていうかアナグラムやメタなんてさっぱりわかんないんだよ、加えて将棋やチェスも分からん。
メタは立体というより空間的なものを感じるし、アナグラムは完全に文字をパズルと化している。
それ以前にこの人の文体というか構成が全てパズルっぽい。
1文、1文は単なるピースでそれ自体に意味が無く、全てのピースがはまってから俯瞰してやっと本来のカタチがわかるという類の。


他の短編は「卒業文章」がその名の通りその文体をとっていて表現していることを除けば、まぁ他講談社文庫から今まで出ている短編集の中に納められている話の雰囲気と同じ物でした。
ただ後書きが羽海野チカ先生で、それだけでもハチクロファンとしては嬉しいのにもう載っている内容に「わかる、わかるぅ(ポンと膝を叩きながら)」とうんうんとうなづいたよ〜。
上述したわけのわからん文(書けば書くほど訳がわからんようになった(涙))読むより、的確にヲレの気持ちを代弁してくれている。


どうでもいいことだけど、なんか昔の村上春樹の文章というか雰囲気が似ていない?(ていうか昔しか知らんけど*2
あぁだから余計に苦手感覚がつきまとうのかもしんない。*3

*1:初期の頃、確かそう言われていなかったけ?

*2:ノルウェーの森」ではなく「カンガルー日和」とか「羊をめぐる冒険」あたり

*3:人気があったのにヲレにはさっぱりわかんなくて世間との体感温度の差を知った。なので今だに村上春樹はヲレにとって鬼門です。